CycleTreeVision

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サイクルツリービジョンと称する屋外での大規模な8ミリフィルムのループ映写の展示をご紹介します。
これはロードレーサーのホイールをリール代わりにして、50~150フィートのフィルムを連続上映する仕組みです。2009年から2013年まで武蔵野はらっぱ祭りで展示しました。アナログな仕掛けの面白さとループの長さの点でユニークなものです。

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CONTENTS

Ⅰ.ループ映写の仕組み

Ⅱ.映像インスタレーション作品

^^1.2009年 サイクルビジョン(1輪型・50フィート)とツリービジョン(50フィート)
^^2.2010年 サイクルツリービジョン(1輪型・100フィート)
^^3.2011年 サイクルツリービジョン(2輪型・100フィート)
^^4.2012年 サイクルツリービジョン(2輪型・70フィート)
^^5.2013年 ツリービジョン(セミブルック型・20&29フィート)

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Ⅰ.ループフィルム映写の仕組み

1メートル程度の短いフィルムの場合は、映写機に支柱を立て上部にリールをつけて行います。
8ミリフィルム小金井街道プロジェクトで太田曜先生が指導されている事例をご覧ください。

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屋外でのインスタレーションとして、もっと長いループフィルムを映写する場合は、樹木などにリールを取付ける方法があります。

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フィルム1本(18コマで3分20秒)程度の長さで映写するには、この方法ではループの形を出来る限り円形に近づけ、摩擦抵抗を減らすことで実現可能です。

* * * * *

わたしは自転車も趣味なんですが、長尺フィルムのループ上映方法を考えていたときに、ハタと自転車ホイールが浮かんできました。自転車の車輪は、ベアリングで限りなく摩擦抵抗のない回転を実現しています。乗っているロードレーサーのホイール(700C)の幅は、偶然にも8ミリフィル用のリールとほぼ同じでした。ホイールをサイクルスタンドを使って利用します。

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2009年に、この方式で50フィートのループ映写を問題なく行いました。
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100フィートのループ映写をするために、2011年は、下図のように前後ともにホイールを使用しています。

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2012年は、前後ともホイールを樹に括り付ける方法で、安定性を高め、インスタレーションとしてより目立つ方式を採用しました。しかしフィルムが長くなると、風の影響が問題になります。微風であっても、横風のためにフィルムの走行が安定せず、ホイールから外れてしまう危険があります。このため、樹間に紐を張り、複数のリールをぶら下げています。下部はフィルムのたわみでフィルムが地面に接触してしまう場合は、リールつきの支柱を立てます。

なお、樹木にホイールを括りつける場合(大型スクリーンをぶら下げる場合も)は、樹木を傷めないように、プチプチを巻くなどの養生をしてから行ってください。

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Ⅱ.映像インスタレーション作品

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1.2009年

はらっぱの風景Ⅰ ~蜻蛉の世界~

作品番号:10
制作:2009年11月
カメラ:キャノンオートズーム814エレクトロニク
フィルム:エクタクローム64T(現像:テテナール自家現像)
簡易テレシネ:映写機/エルモST800、ビデオカメラ/キャノンHV10、ビデオ編集/ビデオスタジオ111プラス
上映方法:「サイクルビジョン方式」によるループ

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「武蔵野はらっぱ祭り」に「はらっぱシアター・フィルムインスタレーション」として出展しました。「武蔵野公園」の風景を蜻蛉になったつもりで撮影したフィルムです。上映フィルムのループ化は、短いものが一般的ですが、フィルム1本(50フィート、15.25メートル、3分20秒)の長さに挑戦しました。ロードレーサーの前輪ホイールを巻き取りリール代わりにして映写機の後方に設置し、映写機のフィルム送り駆動力だけでループ上映する仕組みです。ロードレーサーのホイールは丁度8ミリのリールの幅に近く、大径にもかかわらずほとんど抵抗なく軽く回転してくれます。自転車(サイクル)とループ(サイクル)とをかけて、「サイクルビジョン」と命名しました。おかげさまで何ら問題なく上映できました。

はらっぱの風景Ⅱ ~少年の日のように~

作品番号:9
制作:2009年11月
カメラ:キャノンシングル8-518SV
フィルム:フジクロームR25N(現像:フジカラー調布)
簡易テレシネ:映写機/エルモST800、ビデオカメラ/キャノンHV10、ビデオ編集/ビデオスタジオ11プラス
上映方法:「ツリービジョン方式」によるループ

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「武蔵野公園」の風景を幼き少年時代のころにみたときのように表現してみました。林のなかで上映するので、スクリーンは木の幹に引っ掛けて設置します。フィルムをループさせるのにも木を活用することにしました。横に伸びている木の枝に複数のリールを引っ掛ける方式を考えていましたが、現地に適当な木がなかったため2本の木の間にロープをわたし、ロープにリールを引っ掛ける方式にしました。樹木と「吊るす」とをかけて、「ツリービジョン」です。この方式もまったく問題なく上映できました。

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2.2010年

作品番号:12
制作:2010年10月
カメラ:キャノンオートズーム814エレクトロニク
インターバルタイマー:Sankyo STC-632
フィルム:エクタクローム64T(現像:テテナール自家現像)
簡易テレシネ:映写機/エルモST800、ビデオカメラ/キャノンHFS21、ビデオ編集/ビデオスタジオ12プラス
上映方法:「サイクル・ツリービジョン方式」によるループ
映写機・・・エルモK-100SM
スクリーン・・・シーツに壁紙縫い付け(180×135cm)
音声・・・:ONKYO(R801A+C701A) & BOSE(101MM)×2
CD・・・カーペンターズLP”NOW & THEN”YESTERDAY ONCE MOREより抜粋編集
照明・・・ホイール部/白熱球スポットライト×1、吊り下げリール部/LED懐中電灯×2

・・・インスタレーション当日の模様をご紹介します。(ビデオ撮影:Kさん、編集:こもれび倶楽部)

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タイマーをカメラに括り付けて撮影

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PHOTO:KIさん(8mmFKKP)

「武蔵野はらっぱ祭り」に「はらっぱシアター・フィルムインスタレーション」として出展しました。地元、武蔵小金井の街とひとを、インタバルタイマーを使って記録したものです。上映フィルムはフィルム2本分・・・100フィート、30.5メートル、6分40秒の長さに挑戦しました。自宅でのテストでは問題なく上映できたのですが、現地での設営の都合でやり方を一部変更した関係で、映写機の駆動力だけではフィルムを回しきれず、残念ながら自分の力で回転を補助しながら上映しました。長いフィルムは木の間のロープにつるしたリールにひっかけ、ロードレーサーの前輪ホイールを巻き取りリール代わりにして映写機の後方に設置し、映写機のフィルム送り駆動力だけでループ上映する仕組みです。「サイクル・ツリービジョン」と命名しました。

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3.2011年

第23回武蔵野はらっぱ祭り「映像インスタレーション」展示に出品しました。昨年は、リールの設置方法がうまくなく、摩擦抵抗が大きすぎるため、ループの回転を手で助けて、なんとか100フィートのフィルムを回しました。その失敗の反省から、今年はリールを前後ともに自転車ホイールに変更しました。結果的には、きわめて単純な仕組みとなりました。お蔭様で、100フィートのフィルムはまったく問題なく回りました。

インスタレーション当日の模様をご紹介します。(ビデオ撮影:Kさん、編集:こもれび倶楽部)

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4.2012年

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こもれび倶楽部ブログ(2012.11.10)
こもれび倶楽部ブログ(2012.11.11)

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5.2013年

今年も11月2日(土)に第25回武蔵野はらっぱ祭りに出展しました。

わたしのインスタレーションは、
2009年 サイクルビジョン方式(ホイール1輪 50FT)とツリービジョン方式(50FT)
2010年 サイクル・ツリービジョン方式(ホイール1輪 100FT)
2011年 サイクル・ツリービジョン方式(ホイール2輪 100FT)
2012年 サイクル・ツリービジョン方式(ホイール2輪 70FTT)
というかたちで、2012年の段階でほぼ完成形となりました。

今回の上映方式は、原点に立ち返ってシンプルなリールを使ったループ上映です。
2013年 ツリービジョン方式(セミブルック6個 20FTと29FT)

映写機は2台にして、2つの映像を1枚のスクリーンに映写する方法をとり、”8ミリ映写は楽しい”というコンセプトで自分が楽しみながらインスタレーションを行いました。小型の可愛い映写機を使い、それぞれ20~30フィート程度のこれまでよりは短いループフィルムを使って、映写スピードを変化させながらの上映です。

ループの道具として、当初に使用していた自作リールではなく、ホームセンターでみつけたロープ用の滑車(セミブルック八幡ねじ)、サイズは滑車口径50mm(38mmでも可)を使います。自作リールの場合は、回転軸のところのつくりが難しく、フィルムがうまく回転せず摩擦抵抗がでる問題がありましたが、滑車ですと自転車ホイールと同じように滑らかに回転してくれます。

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現地セッティングイメージ

お蔭様で問題なく上映をすることができました。
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